「よもやま日記」//身の回り出来事や心に浮かんだ独り言、お気に入りのもの、日常の風景を切り取った写真などなど、思いつくままに書いてます。

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2012/10/05 (Fri) 大滝秀治さん

またひとり、昭和の偉大な名優がこの世を去った。大滝秀治さん。

柔らかさと芯の強さ。鋭い眼光にハッとさせられたと思うと、包まれるような温かい声に癒される。
味わいある語り口と深みのある演技で人々を魅了し続けた、まさに演劇界の宝とも言うべき人だった。

最後の映画は高倉健と共演した「あなたへ」。
先月NHKで放送された「プロフェッショナル 仕事の流儀」でこの映画の撮影に臨む高倉健を取材していたが、この中で大滝秀治と共演したシーンは非常に印象的だった。
亡き妻の遺骨を遺言に従って海に散骨した高倉健演じる主人公が、船を出してくれた大滝秀治演じる漁師に礼を言うシーン。
「久しぶりに綺麗な海ば見た。」
この時の大滝秀治の演技に感動して高倉健はひとり涙を流していた。

後でそれを回想する高倉健は、はじめ台本を見たときこの台詞にピンと来ていなかったという。ところが大滝秀治の演技にハッとした。島の人たちが背負ってきた苦しみや悲しみが心に沁みてきた。
この場面は、主人公が職を捨ててこの島の人に寄り添うことを決心するに至る重要なものとなる。映画の中で一番のテーマとも言えるものをたった一言で表現する大滝の演技に感動して泣いた。

何よりも演じる時の気持ち、心情というものを大切にする高倉健は、大滝秀治の説得力ある演技に台詞への深い理解と、漁師の気持ちを感じ取り役柄に映し出す豊かな感受性に感銘を受けたのかも知れない。
「負けたくないねえ……。負けたくないっていうか、折角同じ俳優としてやってるんだから、追いかけたいよね。」
大滝秀治を語る高倉健はまさに映画小僧だった。

今、ウィスキーのお湯割りを飲みながらこれを書いている。本当はぬる燗の方が大滝さんには似合うかな。
大滝さんを偲んでこの映画を見てみたくなった。

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Author:つき
普段は虎を肴に大好きなお酒を楽しむオヤジ系。かつては米(米米CLUB)を追いかけ、今でもコンサートには顔を出す。さらに歌舞伎や時代劇を愛し、手ぬぐいをコレクションし、和菓子屋やスイーツにも目がない。茶道をちょっとだけかじり、日本文化のキーワードには反応してしまう。身体を動かすことは得意でないけど、タイガースと職場の陸上チームを応援してます。

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